FOOLS GOLD〔デースケドガー〕17 | FOOLS GOLD 

FOOLS GOLD〔デースケドガー〕17




今度は彼女が考える番だった。
彼女の手持ちがいくらあるか分からない。あっても1千万くらいだろう。ただこの時点で金額はあまり問題ではない。僕が300万円にレイズしたことで、彼女には、僕が今回の勝負は自分の身体を賭けてでも闘う意思があることを理解したはずだ。実際彼女が1千万円にレイズしても僕は対応するつもりだったが、できればそこまで吊り上げたくない。僕の意図を汲み取ってくれれば、無駄に賭金を吊り上げることはしないはずだ。僕はコールしてくれることを願った。

僕の想いが通じたのか彼女はそれ以上レイズアップせずに300万円でコールした。 彼女はディーラーに300万円分の札束を渡し、僕は150万円と左の薬指と書いた紙を渡した。

 「では、何にしますか?」ディーラーは前勝負の勝者である彼女にまず尋ねた。
 「デースケ」彼女は答えた。答え方が200Vの電圧で既にいくらか朦朧としている様子だ。
 「何にしますか?」
 「ドガー」僕は最初の勝負と同じ理屈でまずドガーを選択した。
 「変更しますか?」
 彼女はデースケドガーに変更した。デースケドガー。デースケドガーだと僕の数は6だ。とても勝てる目ではない。僕は、宣言をドガーのままで変更しなかったが、拒否権を購入することにした。つまり「NO!」と叫んだ。
 (ざわ)    (ざわざわ)
    (ざわざわ)    (ざわざわ)
 満州式デースケドガーでは拒否権を購入できる。つまり相手の宣言を変更することができるのだ。ただし変更したからといって勝てるとは限らない。そしてその購入には必ず自分の身体で支払いをしなくてはならない。この勝負は落とせない、だからこそ、また自分の指を切断することになるが、拒否権を購入したのだ。

 彼女はそれを受けて、ドガーに変更した。どちらにしても残りの目は「8」なのでどちらでも良かった。彼女は拒否権を購入する事は無く、僕も彼女もドガーでの勝負となった。

 僕は自分を奮い立たせるため、自分の頬を力いっぱい張った。

 その拍子に静電気(とても大きい)が発生し、髪の毛を焦がした。

 余計なことをした。


 つづく


第 2 回 SEO コンテスト (新潟・スマトラ頑張れ!!)